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【獣医師監修】手作りドッグフードのメリット・デメリットと栄養バランスの整え方を徹底解説

【獣医師監修】手作りドッグフードのメリット・デメリットと栄養バランスの整え方を徹底解説

監修|獣医師 奥田 賢仁

最終監修日:2026年4月3日

「食物アレルギーがあるため除去食として手作りフードを始めたい」「市販のドッグフードに添加物が多くて気になる」「愛犬にもっと安心できる食事をあげたい」――こんな思いから手作りドッグフードに興味を持つ飼い主さんが増えています。SNSやレシピ動画でも、彩り豊かな手作りごはんの投稿は人気を集めています。

手作りドッグフードには素材を選べる安心感や食いつきの良さといった魅力がある一方で、栄養バランスを整える難しさや手間など見過ごせないデメリットもあります。判断材料を知ったうえで取り入れることが大切です。

本記事では手作りドッグフードのメリット・デメリットを整理し、栄養バランスを保つコツや始め方のポイントまで詳しく解説します。

結論:手作りは魅力的だが「栄養設計」が最大の課題

手作りドッグフードの全体像を最初に整理しました。

観点

ポイント

メリット

素材の安心感、食いつき向上、水分摂取、嗜好性の高さ

デメリット

栄養バランスの確保が難しい、手間とコスト、衛生管理、歯石が付着しやすい

主食 vs トッピング

主食化はハードル高め。トッピングなら気軽に始められる

不足しがちな栄養素

カルシウム、亜鉛、鉄、ビタミンD、必須脂肪酸

推奨される進め方

獣医師監修レシピの活用、栄養計算ツールの利用


それぞれを詳しく見ていきます。

手作りドッグフードのメリット

1. 素材を自分で選べる安心感

市販のフードは原材料表記を確認できますが、加工過程までは見えません。手作りなら新鮮な食材を自分の目で選び、調理過程も把握できます。アレルギー食材の完全除去や、不要な添加物を避けたい飼い主さんには大きな魅力です。

飼い主さんからは「アレルギーがある子なので食材を完全にコントロールしたい」「食材の産地まで自分で選べる安心感がある」という声がよく聞かれます。

2. 食いつきが良くなる

新鮮な食材で調理した手作りごはんは香りが立ち、嗜好性が非常に高くなります。食欲が落ちている犬でも食べてくれるケースが多く、シニア期や術後の回復期にも有効です。

3. 自然な水分補給ができる

多くの手作りごはんは水分量が60〜70%程度と高く、ドライフードに比べて自然に水分を摂れます。水をあまり飲まない犬や、泌尿器のトラブルが気になる犬にとってはメリットになります。

4. 体調に合わせた調整ができる

ダイエット中はカロリーを抑えたメニュー、寒い季節には体を温める食材、というように犬の体調や季節に応じて柔軟に調整できます。市販フードでは難しい細やかな対応が可能です。

手作りドッグフードのデメリット

1. 栄養バランスを整えるのが難しい

手作りドッグフードの最大の課題が、栄養バランスの確保です。犬は人間と必要な栄養素が異なり、食材の「人間にとっての栄養価」と「犬にとっての栄養価」は同じではありません。栄養計算なしに作り続けると、特定の栄養素が不足してしまうリスクがあります。

不足しがちな栄養素

不足したときの影響

カルシウム

骨や歯のトラブル、けいれん発作

ビタミンD

カルシウム代謝の異常、骨軟化

亜鉛

皮膚炎、被毛の質低下、免疫低下

貧血、元気消失

必須脂肪酸(オメガ3・6)

皮膚被毛の悪化、慢性炎症

ヨウ素

甲状腺機能の異常

タウリン

心機能のトラブル(特定犬種でリスク)


実際の診療でも「手作りごはんによる慢性的な鉄不足により軽度の鉄欠乏性貧血と診断したケースや」亜鉛、ビタミンAの不足により皮膚や毛質の状態悪化が認めらられるケースがありました。栄養設計は手作り食を続けるうえで避けて通れない課題です。

2. 時間と手間がかかる

毎食ごとに材料を揃えて調理する作業は、想像以上の負担になります。共働きや忙しい家庭では継続が難しくなり、結局手作りを断念したというケースも少なくありません。

「最初は意気込んで毎日作っていたが、半年で続けられなくなった」「週末にまとめて作って冷凍保存している」など、続け方には工夫が必要です。

3. コストが高くなりやすい

新鮮な肉や野菜を使うと、結果的に市販のプレミアムフード以上のコストがかかることもあります。長期的に続けるなら、無理のない予算設計が欠かせません。

4. 衛生管理が難しい

手作りごはんは保存料が入っていないため、保存性が低く雑菌が繁殖しやすいデメリットがあります。作り置きする場合は冷凍保存を基本とし、与えるときは必ず再加熱するなど衛生面の配慮が必要です。

栄養バランスを整える基本の考え方

手作りドッグフードを主食として続ける場合、栄養バランスの基本を押さえることが重要です。基本的な配分の目安を整理しました。

食材カテゴリ

全体に占める割合の目安

代表食材

動物性タンパク質

約50%

鶏肉、牛肉、ラム、白身魚、卵

炭水化物

約30%

ご飯、さつまいも、じゃがいも

野菜(食物繊維)

約15%

にんじん、ブロッコリー、キャベツ

脂質・補助食品

約5%

亜麻仁油、サーモン油


あくまで目安であり、犬種・年齢・体格・運動量で必要量は変わります。慣れないうちは獣医師監修のレシピや、犬用栄養計算アプリを活用するのが安心です。

犬に与えてはいけない食材

手作りごはんを始めるうえでもっとも重要なのが、犬にとって有害な食材を絶対に使わないことです。代表的なNG食材を整理しました。

NG食材

理由

玉ねぎ・長ねぎ・ニラ

赤血球を破壊し貧血を引き起こす

チョコレート・ココア

テオブロミン中毒

ぶどう・レーズン

急性腎不全のリスク

アボカド

ペルシン中毒の可能性

生のイカ・タコ・エビ

ビタミンB1分解酵素を含む

キシリトール

急激な低血糖、肝臓障害

マカダミアナッツ

中毒症状を引き起こす

生卵の白身

ビオチン欠乏のリスク


特にネギ類やブドウ・レーズン、キリトールは少量でも危険な食材です。手作りごはんに切り替えるときは、家族全員でNG食材リストを共有しておきましょう。

始め方のステップ

手作りドッグフードを取り入れたい場合は、いきなり全部切り替えるのではなく段階的に進めるのがおすすめです。

段階

やること

1. トッピングから始める

市販フードの上に少量の手作り食材を載せる

2. 簡単なレシピで週1〜2回

獣医師監修レシピで主食化を試してみる

3. 栄養計算を学ぶ

犬用栄養計算ツールやアプリを活用

4. 主食化の検討

獣医師に相談しながら手作り中心に移行

5. 定期的な健康チェック

かかりつけ動物病院で栄養状態を確認


完全主食化にこだわらず、無理のない範囲で取り入れることが継続のコツです。

手作り食 vs 市販フードの使い分け

「市販フードは手抜き」「手作りこそ最高」というわけではありません。それぞれにメリット・デメリットがあるため、目的別に使い分けるのが現実的です。

シーン

おすすめのスタイル

毎日の安定した食事

市販の総合栄養食

食欲が落ちたとき

手作りトッピングで嗜好性アップ

特別な日の食事

手作りごちそうメニュー

旅行・外出先

市販のドライフードが便利

シニア期の食事

手作りトッピング+市販シニア用フード


「主食は市販の総合栄養食、トッピングや週末だけ手作り」というハイブリッド型が、栄養面と継続性のバランスが取りやすい方法です。

実際の飼い主さんの声

これまでに手作りドッグフードを取り入れた飼い主さんから寄せられて声のうち、代表的なパターンを整理しました。

体験談のテーマ

具体例

食いつき改善

「食欲が落ちていたシニア犬が手作りで完食するように」

皮膚トラブル改善

「アレルギー食材を完全に除けて症状が落ち着いた」

継続の難しさ

「忙しくて続かず、結局市販フードに戻した」

栄養相談の重要性

「獣医師に教えてもらった計算アプリを使用して続けられた」

ハイブリッド運用

「平日は市販フード、週末は手作りで両立している」


成功している人の共通点は、無理せず段階的に取り入れていることと、栄養計算や獣医師との連携を怠らないことの2点です。

まとめ:取り入れるなら段階的に、栄養設計は確実に

手作りドッグフードには素材の安心感、食いつき向上、水分補給など多くのメリットがあります。一方で栄養バランスを整える難しさや手間といったデメリットも実在し、正しい知識なしに長期間続けると栄養不足のリスクが現実のものとなります。

始めるならトッピングから少しずつ、主食化は獣医師の指導や栄養計算ツールを活用しながら慎重に進めましょう。市販フードと手作りを使い分けるハイブリッドスタイルなら、それぞれのメリットを活かしつつ無理なく続けられます。

栄養面が心配なときや手作りに切り替えたあとに体調変化が見られたときは、早めにかかりつけの動物病院にご相談ください。

 

■この記事の監修者

株式会社SOLVETs 代表取締役

獣医師  奥田 賢仁

※本記事は一般的な情報提供を目的として作成されたものです。個別の症状や食事に関するご相談は、必ずかかりつけの動物病院にご相談ください。

 

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