【獣医師監修】犬のお風呂の適切な温度は?季節別の目安と注意点を解説

「犬のお風呂のお湯って何度がいいんだろう」「人間と同じ温度でいいの?」――シャンプータイムでこんな疑問を持ったことはありませんか。結論からお伝えすると、犬のお風呂の適切な温度は35〜38℃のぬるま湯です。人間が「気持ちいい」と感じる40〜42℃のお湯は犬には熱すぎて、皮膚への負担や火傷のリスクがあります。犬の体温と皮膚特性を理解した温度管理が大切です。
本記事では犬のお風呂の適切な温度を季節別に整理し、温度管理のコツと注意点まで詳しく解説します。
監修|獣医師 奥田 賢仁
最終監修日:2026年5月20日
結論:35〜38℃のぬるま湯が基本
|
条件 |
推奨温度 |
|
基本温度 |
35〜38℃ |
|
夏場 |
32〜35℃(やや低め) |
|
冬場 |
37〜38℃(やや高め) |
|
子犬・シニア犬 |
36〜37℃(中間) |
|
皮膚トラブルがある犬 |
獣医師の指示に従う |
これまでの飼い主さんの体験談では、「人間と同じ温度のお湯で洗っていたら皮膚が乾燥した」といったお話も聞きます。
なぜ犬には38℃以下のぬるま湯が良いのか
犬の皮膚は人間より薄く、熱や刺激に敏感です。人間の皮膚は表皮が10〜15層あるのに対し、犬の表皮はわずか3〜5層程度。同じ温度のお湯でも、犬にとっては熱すぎる可能性が高いのです。
|
熱すぎるお湯のリスク |
影響 |
|
皮膚バリア機能の破壊 |
乾燥・皮膚炎 |
|
皮脂の落としすぎ |
毛艶低下、フケ |
|
低温火傷 |
見た目に分かりにくい火傷 |
|
体温上昇 |
のぼせ、ぐったり |
|
心臓への負担 |
シニア犬や持病のある犬で注意 |
犬は人間と違って汗をかいて体温調節することができません。熱いお湯に入ると体温が急上昇しても自分で下げられず、のぼせやすくなります。お風呂場で洗う場合には、湿度も高く、室温も高くなりやすいので大型犬や短頭種では熱中症などにも注意が必要です。
犬の体温と適温の関係
|
観点 |
数値 |
|
犬の平熱 |
38.0〜39.0℃ |
|
快適な水温 |
犬の体温よりやや低め |
|
推奨温度 |
35〜38℃ |
|
危険な高温 |
40℃以上 |
|
危険な低温 |
30℃以下 |
犬の平熱は38℃前後と人間より高めですが、お湯の温度はそれより少し低いほうが快適に感じます。人間の感覚で「ちょっとぬるいかな」と思う程度が、犬にはちょうどいい温度です。冷水は体を急激に冷やしてしまうため、使用しないようにしましょう。
季節別の温度調整
夏場のお風呂温度
夏は気温が高く犬も暑がっているため、お湯の温度をやや低めに設定するのがおすすめです。32〜35℃のひんやりとした温度のほうが犬は気持ちよく感じます。
飼い主さんからは「夏場に温度を下げたらシャンプーを嫌がらなくなった」「ぬるめのお湯で気持ちよさそうに洗えるようになった」という体験談もこれまでに聞いています。
冬場のお風呂温度
冬は寒さで体温が奪われやすいため、やや高めの37〜38℃が適温です。ただし40℃を超えると犬には熱すぎるので注意が必要です。浴室自体の温度も上げておくと体温の急変を防げます。
春・秋のお風呂温度
春・秋の中間期は基本温度の35〜38℃が目安です。気温の変動が大きい時期なので、その日の気温に応じて少し調整しましょう。
年齢別の温度の考え方
|
年齢 |
ポイント |
|
子犬(3ヶ月〜1歳) |
36〜37℃。長湯せず短時間で |
|
成犬(1〜7歳) |
35〜38℃の標準温度 |
|
シニア犬(7歳以降) |
36〜37℃。体への負担を抑える |
|
超高齢(10歳〜) |
36〜37℃。短時間・部分洗い |
子犬とシニア犬は体温調節機能が成犬より弱いため、極端な温度を避けることが大切です。中間温度を維持しつつ、シャンプー時間も短めに切り上げましょう。
温度の確認方法
正確な温度管理のためのコツを整理しました。
|
確認方法 |
ポイント |
|
手首の内側で確認 |
ぬるく感じる程度が目安 |
|
人間の肘で確認 |
赤ちゃんのお風呂と同じ |
|
シャワーの温度設定 |
37℃に固定設定が便利 |
温度以外の重要ポイント
温度だけでなく、シャンプー全体の環境を整えることも大切です。
|
環境要素 |
整え方 |
|
浴室の室温 |
20〜25℃に温めておく |
|
お湯の量 |
犬の足が浸かる程度から |
|
時間 |
10〜15分以内に終わらせる |
|
乾燥 |
シャンプーと同じくらい重要 |
|
タオル |
吸水性の良いものを複数枚用意 |
|
ドライヤー |
犬用または弱風で慎重に(温度に注意) |
やってはいけない温度設定
|
NG |
理由 |
|
人間用の40〜42℃のお湯 |
犬には熱すぎる |
|
冷たすぎる水 |
体温低下、ストレス |
|
お湯の温度を確認せずに使う |
やけどリスク |
|
途中でお湯を足す |
温度ムラができる |
|
浴槽に長時間浸からせる |
犬には不要、ストレスに |
|
熱いお湯を直接かける |
やけどのリスク |
温度関連のトラブルサイン
次のサインが出ているときは、お湯の温度や環境を見直しましょう。
|
サイン |
考えられる原因 |
|
シャンプー後ぐったり |
お湯が熱すぎた可能性 |
|
強く震える |
お湯が冷たすぎた可能性 |
|
パンティング(荒い呼吸) |
のぼせ、温度高すぎ |
|
脱出しようと暴れる |
温度・環境のストレス |
|
皮膚の赤みが続く |
熱すぎ・洗いすぎの可能性 |
シャンプー後の体温管理
適切な温度で洗っても、シャンプー後の体温管理を間違えると体調を崩します。
|
ポイント |
ポイント |
|
すぐにタオルで包む |
急激な体温低下を防ぐ |
|
完全に乾かす |
湿気が残ると体温が下がる |
|
温かい部屋で過ごす |
シャンプー後数時間は冷やさない |
|
散歩は時間をあけて |
湿った状態での外出は避ける |
|
新鮮な水を準備 |
口渇いていることが多い |
まとめ:35〜38℃のぬるま湯で愛犬に優しいバスタイムを
犬のお風呂の適切な温度は35〜38℃のぬるま湯が基本です。人間が気持ちいいと感じる温度は犬には熱すぎるため、必ず犬の体に合わせた温度設定を心がけましょう。
夏は少し低め、冬は少し高めなど季節での調整も大切です。心配な場合は、温度計を使って客観的に確認することで失敗を防げます。シャンプー後の体温管理まで含めてケアすることで、愛犬にとって快適なバスタイムを実現できます。
シャンプー後に体調変化が見られる場合は、温度だけでなく他の要因も考えられます。気になる症状が続く場合はかかりつけの動物病院にご相談ください。
■この記事の監修者
株式会社SOLVETs 代表取締役
獣医師 奥田 賢仁
※本記事は一般的な情報提供を目的として作成されたものです。個別の症状やケアに関するご相談は、必ずかかりつけの動物病院にご相談ください。








