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【獣医師監修】犬の涙やけの取り方|自宅ケアの正しい手順と再発予防のポイント

【獣医師監修】犬の涙やけの取り方|自宅ケアの正しい手順と再発予防のポイント

監修|獣医師 奥田 賢仁

最終監修日:2026年4月6日

「うちの子の目の下が茶色くなって取れない」「拭いても拭いても涙やけが復活してしまう」――こんな悩みは、白い被毛の犬を飼う飼い主さんからとくに多く聞かれます。診察室でも「涙やけが取れない」という相談は定番のテーマです。

涙やけは目周りの被毛に付着した涙に含まれるポリフィリンという成分が、紫外線の影響などにより酸化することに赤褐色に変色することが主な原因と考えられています。変色した毛という、見た目の問題だけでなく、中には皮膚トラブルの原因になることもあります。正しいケア方法を知れば、自宅でも目立たない状態まで改善できるケースが多くあります。

本記事では犬の涙やけの取り方を、毎日の拭き取りケアから根本的な原因対策、再発予防まで詳しく解説します。

結論:涙やけ対策は「拭く」「原因対処」「予防」の3本柱

涙やけを取るには、見た目のケアと根本的な原因対処の両方が必要です。

アプローチ

内容

1. 毎日の拭き取りケア

涙を放置せずこまめに拭き取る

2. 専用ローションの活用

涙やけ専用クリーナーで色素を除去

3. 食事とフードの見直し

原因となる食材を避ける

4. 涙が出る根本原因に対処

目の構造、アレルギー、鼻涙管詰まりなどを確認

5. 予防習慣の継続

再発させない日々の小さな積み重ね


順番に詳しく見ていきます。即効性があるのは拭き取りケアと専用ローションですが、根本対処なしには再発を防げません。

毎日の拭き取りケアの正しい手順

涙やけのケアでもっとも基本となるのが、毎日の拭き取りです。涙が出てから時間が経つと変色し、被毛にその色が定着しやすくなるため、こまめに拭き取ることが第一歩となります。

ステップ

やり方

1. ぬるま湯を用意

人肌程度のぬるま湯を清潔なボウルに

2. コットン or ガーゼを湿らせる

ぬるま湯にしっかり浸して固く絞る

3. 目頭から目尻方向へ

毛流れに沿って優しく拭く

4. 瞼の上下を分けて拭く

目を閉じた状態で、瞼の上下を一度に拭くと、僅かに開いた隙間により眼球を擦って角膜に傷を付けてしまうケースがあります。必ず瞼の上と下を分けてそれぞれ拭きましょう。

5. 乾いた布で水分を取る

湿気を残すと菌が繁殖しやすい

6. 1日2〜3回繰り返す

朝・夜・気づいたときの3回が目安


「毎日丁寧に拭くようにしただけで2〜3週間で目立たなくなった」「ぬるま湯で拭くようにしたら改善した」という飼い主さんの報告も多くあります。拭き取りケア自体は地味ですが、涙で濡れたまま放置しないということはもっとも効果のある基本ケアです。

専用クリーナーの選び方と使い方

ぬるま湯だけでは取れにくい頑固な変色には、犬用の涙やけ専用クリーナーが有効です。市販されているクリーナーには、色素を分解するタイプや皮膚を整えるタイプなど種類があります。

タイプ

特徴

拭き取り用ローション

コットンに含ませて拭くタイプ。日々のケアに

スプレータイプ

直接吹きかけて拭き取る。手軽で広範囲に

シートタイプ

1枚ずつ使い切り。外出時や旅行先に便利

フォームタイプ

泡で密着し色素を分解しやすい


選ぶときのポイントは、刺激の少ないタイプを選ぶこと、目に直接入らない形状であること、香料・着色料が控えめなことです。皮膚が敏感な犬では、最初は少量から試して様子を見るのが安心です。

注意点

対処

目に入らないよう注意

目尻側から拭く、目に近い部分は別に処理

皮膚に異常が出たら使用中止

赤み・腫れ・痒みがあれば獣医師に相談

アルコール含有製品は避ける

刺激が強すぎる可能性

市販されている人間用品は使わない

犬には刺激が強すぎる場合あり


涙やけの根本原因を見直す

毎日のケアと並行して、涙が出る根本原因に対処することが再発防止につながります。原因は複数あるため、一つずつチェックしていきましょう。

原因

確認ポイント

目に毛が入っている

目に触れるような長い毛が生えている

鼻涙管の詰まり・狭窄

いつも涙が溢れている、片目だけ涙やけが強い

逆さまつ毛・睫毛異常

まぶたから目に向かってまつ毛が生えている、充血している

アレルギー

皮膚や耳のトラブルも併発している

食事の影響(食物アレルギー)

皮膚や消化器症状も併発している

目の感染症

目やにや充血、痛がる仕草(羞明)

顔の構造的特徴

短頭種では構造的に眼周囲が濡れやすい

ストレス

環境変化と一致して悪化する


涙やけの原因として1番多いケースは眼周囲の毛が眼球に触れて涙液を吸い上げて過剰に濡れているケースで、この場合はトリミングの際に眼周りの毛を定期的に短くカットしてもらうだけで劇的に改善することもあります。また、背景に食物アレルギーがあり、眼周囲に炎症がある場合、毛に付着した炎症細胞が毛の変色の原因となっていることもあります。その場合には、食物アレルギーをコントロールした結果、眼周周囲の皮膚が改善し、毛色の改善につながるケースもあります。

食事とフードの見直し

意外と見落とされがちなのが、食事の影響です。食物アレルギーを持っている子は眼周囲に症状を呈しやすいです。適切な食事に変更し、アレルギーをコントロールすることで、皮膚コンディションや変色の改善が期待できます。

見直しポイント

改善の方向

主原料のタンパク源の種類

体質に合ったタンパク源へ変更(新奇タンパク、加水分解タンパク)

アレルギー食材

牛肉・鶏肉・乳製品など可能性のある食材を除外

その他

オメガ3脂肪酸を含むフード(青魚由来)を選ぶ


フードの切り替えはゆっくり1〜2週間かけて行い、効果の判定は最低でも1〜2ヶ月続けてから行いましょう。短期間で結論を出さないことが大切です。また、アレルギーを疑う場合には、必ずかかりつけ獣医師に相談し、フードの変更や除去食を試してください。

再発を防ぐ予防習慣

一度涙やけが目立たなくなっても、ケアをやめると再発するケースがほとんどです。再発を防ぐ日々の習慣を整理しました。

習慣

頻度・タイミング

定期的な拭き取り

朝・夜など本人の眼の周りの濡れ具合に合わせた頻度で定期的に拭きましょう。

目周りのカット

目に毛が入らないよう定期的にトリミング

週1回の重点ケア

専用クリーナーで丁寧にお手入れ

フード

フードやおやつなどの原材料に注意

定期的な健康チェック

目の状態を観察し変化を早期発見


「気がついたら拭く」を習慣化するだけで、涙やけはかなりの確率で予防できます。地道な日々のケアが結果として大きな差を生みます。

病院に相談すべきケース

セルフケアで改善しない場合や、次のサインがある場合は獣医師に相談しましょう。涙やけの裏に治療が必要な疾患が隠れていることもあります。

相談すべきサイン

考えられる疾患

片目だけ涙やけが強い

鼻涙管狭窄・逆さまつ毛・異物・角膜障害

目やにの量が多い

結膜炎・感染症・アレルギー

目の充血

結膜炎・角膜障害・アレルギー・緑内障

目を痒がる・こする

アレルギー・異物感・角膜障害

3ヶ月以上ケアしても改善しない

根本原因の精査が必要

皮膚に炎症が出ている

皮膚科的なケアも必要


いずれにせよ、ご家庭で抱え込まず一度早めに獣医師に診てもらうことをおすすめします。

犬種別の涙やけリスク

涙やけが出やすい犬種には傾向があり、顔の構造や被毛の色によって目立ちやすさが変わります。

犬種

涙やけの傾向

マルチーズ

白毛で目立ちやすく、顔の構造的にも出やすい

トイプードル

毛色によって目立つ。涙やけ自体も出やすい傾向

ヨークシャー・テリア

目周りの毛が長く、こまめなケアが必要

シー・ズー

短頭種で顔の構造的に出やすい

ペキニーズ

短頭種、目が大きく涙が出やすい

フレンチブルドッグ

短頭種、目周りのシワに涙が溜まりやすい


白い被毛・短頭種・目が大きい犬種は涙やけが目立ちやすい傾向にあります。これらの犬種を飼っている場合は、子犬期からのケア習慣を意識しておくと安心です。

実際の飼い主さんの体験談

これまでに改善に取り組んだ飼い主さんの声をまとめました。

改善パターン

体験談の例

毎日の拭き取り徹底

「朝晩のケアを始めて2週間で明らかに薄くなった」

フードの切り替え

「低アレルゲン食に変えて2ヶ月で目立たなくなった」

専用クリーナー

「市販のクリーナーで頑固な変色も取れた」

鼻涙管洗浄

「動物病院での処置後、溢れる涙の量が減った」

総合的アプローチ

「ケア+食事+トリミングの組み合わせで根本改善」


成功例の共通点は、即効性に頼らず継続的なケアを行っていることです。涙やけは数日では取れないため、最低1〜2ヶ月の継続を見越して取り組みましょう。

まとめ:日々のケアと根本対処を両立

犬の涙やけは、毎日の拭き取りケア・専用クリーナー・食事の見直し・根本原因への対処という総合的なアプローチで改善できます。一つの方法に頼るのではなく、複数の対策を組み合わせることが効果を出すコツです。

頑固な涙やけほど、改善には時間がかかります。最低1〜2ヶ月は継続して様子を見ること、その間に変化を写真で記録しておくことで、確実な改善実感が得られます。

セルフケアで改善しない、片目だけ症状が強い、目やにや充血を伴う場合は、角膜障害やアレルギーが隠れている可能性もあります。早めにかかりつけの動物病院にご相談ください。

■この記事の監修者

株式会社SOLVETs 代表取締役

獣医師  奥田 賢仁

※本記事は一般的な情報提供を目的として作成されたものです。個別の症状や治療に関するご相談は、必ずかかりつけの動物病院にご相談ください。

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