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【獣医師監修】犬の下痢の原因とは?緊急度の見分け方と対処法を徹底解説

【獣医師監修】犬の下痢の原因とは?緊急度の見分け方と対処法を徹底解説

「犬が下痢をした」「いつもと違うゆるい便が出ている」――こんな状況は飼い主さんなら誰もが一度は経験するものです。下痢や軟便は来院理由として常に上位であり、SNSや飼い主コミュニティでも情報交換が盛んなテーマです。

犬の下痢の原因は、食べ過ぎなど一過性のものから、感染症や臓器の疾患まで多岐にわたります。様子見でいい下痢と、すぐに病院へ行くべき下痢の見分けが、愛犬の健康を守るうえで重要なポイントになります。

本記事では犬の下痢の原因を体系的に整理し、緊急度の見分け方と対処法、予防策まで詳しく解説します。

監修|獣医師 奥田 賢仁

最終監修日:2026年4月15日

結論:下痢の原因は8つに分類できる

分類

代表的な原因

1. 食事性

食べ過ぎ・フード変更・人間の食べ物

2. ストレス性

環境変化・分離不安・引っ越し

3. アレルギー

食物アレルギー

4. 感染症

細菌・ウイルス・寄生虫

5. 中毒・誤食

ネギ類・チョコ・薬品など

6. 内臓疾患

膵炎・肝臓病・腎臓病

7. 腫瘍

消化管腫瘍など

8. 加齢・体質

シニア期の消化機能低下


これらの原因は単独ではなく、複合的に絡み合っているケースも少なくありません。順に詳しく見ていきましょう。

原因1:食事性の下痢

もっとも多いのが食事関連の下痢です。これは比較的軽症のことが多く、家庭での対応で改善することが多いタイプです。

パターン

状況

食べ過ぎ

おやつや人間の食べ物の過剰摂取

急なフード変更

切り替え期間が短すぎた

脂っぽい食事

高脂肪のおやつや脂身を食べた

古い・傷んだフード

保存状態の悪化

新しい食材への反応

初めての食材で消化不良


「家族が黙ってお肉のおすそ分けをしていた」「フードを切り替えて3日目に下痢になった」という、食事関連のうっかりトラブルがよく報告されています。

原因2:ストレス性の下痢

犬の腸は感情の影響を受けやすく、ストレスが下痢として現れることがあります。「動物病院に行くと毎回下痢になる」という犬は、典型的なストレス性下痢のケースです。

ストレス源

下痢のタイミング

引っ越し・模様替え

環境変化直後

留守番時間の増加

留守番中・帰宅後

新しい家族・ペット

迎え入れ時の数日間

雷・花火などの音

音の発生時とその後

動物病院への通院

通院日とその翌日

ペットホテル

預け中・帰宅直後


ストレス性の下痢は環境が落ち着くと自然に改善することが多いタイプです。ストレス源を特定し、可能なら取り除くことで再発を防げます。

原因3:アレルギーによる下痢

食物アレルギーが慢性的な下痢を引き起こすことがあります。皮膚の痒みや外耳炎、涙やけなどほかの症状を伴う場合はアレルギーの可能性が高くなります。

食物アレルギーに起因する下痢の場合、除去食試験やアレルギー検査などの結果をもとにフードの見直しを行います慢性的な下痢が続く場合は、アレルギーの可能性も視野に入れましょう。食物アレルギーについて詳しく知りたい方は、「ドッグフードのアレルギーとは?症状・原因食材・対策フードの選び方」をご覧ください。

原因4:感染症による下痢

細菌・ウイルス・寄生虫による感染も下痢の重要な原因です。なかには命に関わるものもあるため、感染症が疑われるサインがあれば早めの受診が必要です。

感染症

特徴

パルボウイルス

子犬で重症化、激しい下痢と血便

コロナウイルス

下痢・嘔吐、子犬で重症化しやすい

ジアルジア

脂肪便、慢性下痢

回虫・条虫など

便に虫が見える、お尻を擦る

カンピロバクター

血便、人にも感染することがある

サルモネラ

発熱を伴う下痢


ワクチン接種・寄生虫予防を定期的に行うことで多くは防げます。子犬期や保護犬の場合は特に注意が必要です。

原因5:中毒・誤食

食べてはいけないものを口にした場合、下痢は重要なサインのひとつです。次の食材は犬にとって有害で、下痢以外にも重篤な症状を引き起こします。

有害食材

下痢以外の症状

玉ねぎ・ねぎ類

貧血、赤茶色の尿

チョコレート

震え、けいれん

ぶどう・レーズン

急性腎不全

キシリトール

急激な低血糖

人間の薬

成分により多彩な症状


誤食の可能性がある場合は、症状の有無に関わらず動物病院に連絡してください。

原因6:内臓疾患による下痢

慢性的な下痢の背景に内臓の疾患が隠れていることがあります。シニア犬では特に考えるべき原因です。

疾患

下痢の特徴

膵炎

軟便、血便、嘔吐を伴う

炎症性腸疾患(IBD)

慢性的な軟便・下痢

肝臓病

黄色い便、食欲低下

腎臓病

水を多く飲む、嘔吐

糖尿病

多飲多尿、体重減少

甲状腺機能低下

代謝低下、毛が薄くなる


緊急度の見分け方

下痢の緊急度を見極めるポイントを整理しました。家庭での判断材料として活用してください。

様子見でよいケース

ポイント

元気・食欲がある

全身状態が良好

1日2〜3回の軽い下痢

頻度が高すぎない

他の症状を伴わない

嘔吐・血便などがない

原因に心当たりがある

食べ過ぎなどが特定できる


すぐ受診すべきサイン

考えられる状況

血便・黒色便

消化管出血

激しい嘔吐を繰り返す

感染症・誤食・閉塞・膵炎など

元気・食欲が著しく低下

全身性の疾患、激しい疼痛、進行した病態

脱水のサイン

命に関わる

下痢が3日以上続く

慢性化・原因不明

子犬・シニア犬の下痢

急速悪化のリスク

異物誤食の可能性

中毒・閉塞の可能性


脱水を見分けるサイン

下痢で命に関わるリスクは脱水です。次のサインがあればすぐに受診してください。

脱水のサイン

確認方法

皮膚の弾力低下

首の皮膚をつまむと戻りが遅い

歯ぐきの乾き

歯ぐきがネバネバ・乾燥

元気がなくぐったり

全身の脱力

目が落ち窪む

見た目の変化

脈が弱い・早い

循環不全のサイン


家庭での対処法

対処

内容

食事を一時的に控える

12〜24時間断食(子犬は除く)

水分補給

少量ずつ何度も水を与える

消化に優しい食事

ふやかしフードで様子見

安静を保つ

激しい運動は避ける

便の写真を撮る

受診時に状態を伝えられる

1日で改善しなければ受診

様子見の限界を見極める


予防のためにできること

予防策

ポイント

フード切り替えはゆっくり

1〜2週間かけて移行

人間の食べ物を与えない

塩分・有害食材を避ける

ワクチン・予防薬の徹底

感染症を防ぐ基本

ストレス管理

落ち着ける環境を整える

定期的な健康診断

内臓疾患の早期発見

新鮮なフード・水

保存状態に注意


まとめ:原因を見極めて適切な対応を

犬の下痢の原因は食事性・ストレス性・アレルギー・感染症・誤食・内臓疾患・腫瘍・加齢など多岐にわたります。一過性の軽症から命に関わるものまで幅広いため、緊急度を見極めることが重要です。

元気・食欲があり、軽い下痢が1〜2日で改善するなら様子見で問題ないことが多いものの、血便や嘔吐、ぐったりするなどの症状を伴う場合は早めに動物病院を受診してください。子犬とシニア犬は特に体力がなく重症化しやすいため、慎重な対応が必要です。

いずれにせよ、判断に迷う際には早期にかかりつけ獣医師に相談するのが最も安全な選択肢であることを覚えておいて下さい。

■この記事の監修者

株式会社SOLVETs 代表取締役

獣医師  奥田 賢仁

※本記事は一般的な情報提供を目的として作成されたものです。個別の症状に関するご相談は、必ずかかりつけの動物病院にご相談ください。

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